経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)という制度があるのを
ご存じでしょうか。
中小企業基盤整備機構(以下 中小機構とする)という
経済産業省所管の独立行政法人が運営する制度で、
昭和53年に発足し、平成27年現在では38万件の方にご利用頂いている
資金調達手段の一つになっています。
掛け金は5,000円~20万円の範囲で5,000円刻みで選択することが出来て、
800万円に達するまで積み立てることが出来ます。
加入後6か月が経過し、その間滞りなく掛け金が払われている場合に
共済金が貸し付けられます。
「積み立て掛け金の10倍」もしくは「被害額」どちらか少ない範囲内で
8,000万円の貸付を受けることが出来ます。
この制度のメリットとしては
・共済金の貸付が無利子であること
・担保・保証人が不要であること
・掛け金を全額損金に計上することが出来ること
があげられます。
取引先が倒産した際に共済金の貸し付けが受けられる、というイザという時の制度ですが、
企業ではそれ以外に、財務ツールとして利用されていて、
掛け金が全額損金算入出来て、40か月以上経過すると掛け金の100%が解約手当金として戻ってくる、というものです。
解約するタイミングによっては赤字補てん対策や退職金原資として活用出来るため、効率的な積み立て方法になるでしょう。
この財務ツールとしての使い方は生命保険と非常に似たところがあります。
掛け金が年間240万円、トータル800万円という上限があるので、この上限に達した後に生命保険による簿外資産形成を考えるのも良いでしょう。